ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

(レースレポート)IRONMAN World Championship 2018

10:48:54 総合1253位/2307 年代192位/287


Ironmanのパーソナルベストですが、順位は半分より下。
世界レベルの高さと自分の現在位置を知る刺激的なレースでした。

【スイム 1:14:00 1536位】
天気予報では曇り空、バイク途中に小雨が降り、風もうねりも少ない模様。
朝は3:20に起床で粉飴とバナナで朝食を済ます。
(粉飴600cc+電解質パウダー+凌駕+クエン酸少々、水適量)
ナンバリング開始の4:45に会場に着くと行列はあるものの3分ほどで完了。
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ボランティアふたりが、両腕を拭いてくれて
次のボランティアがナンバーを貼る位置を尋ねてくれて貼る。
レース中一貫して思うことだけど、ボランティアの数がものすごく多いです。
(必要以上に多いと言っても過言じゃありません)
そして、ひとりひとりが手厚くケアしてくれます。
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なぜか体重測定がありました。
第1回の皆生大会を思い出しますね。
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バイクへ行ってボトルとサイクルコンピュータをセット。
前日は気温上昇による破裂を防止するため空気圧を下げたのでホイールに空気充てん。
私は、いったんコンドに戻るつもりで携帯ポンプを持参しましたが
朝一番だと潤沢に貸し出しポンプがあるんで杞憂に終わりました。
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夜中に強い雨が降ったのでチェーンオイルを添加したかったのですが、
あいにく手持ちがなく、そのまま出走することにしました。
チェーンオイルは、AZのKM-001を使っていますが、
最後までオイル切れすることなく無問題でした。
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プロのトランジットブースを外から見学。目の前にアルゴン18に乗り換えた
ヘザー ジャクソンがいました。奥にはセバスチャン キーンル。
トッププロを間近に見れるチャンスですが、早々にコンドに戻りました。
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30分でもコンドに戻るのは、トイレ行列の心配をしなくて済みますから。
でも今回は「大」なし。レース中にしたくなればトイレに行けばよいと
思っていたので全然気にしなかったらゴールまで予兆すらありません。
きっと神経が昂らず腹が座っていたんでしょうね。
今回も首の後ろにテープ装着。
長い方をウェアの首ぐりの下に重なるように貼って、次に短い方を少し重ねて上に貼るようにしています。
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再出撃は、6:30。
空はすでに明るく、この辺りで男子プロの大砲を耳にしました。
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キンカメを出た付近は完全にレース準備完了。image9.jpeg 
道路にマーキングしちゃダメよってお達しは出ておりましたが、
バイク、ランともにたくさんのマーキングがありました。
いずれもチョークで書いているものなので数日で消えると思いますが
これを見ると元気が湧いてくるので私的には嬉しいです。
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ウォーミングアップエリアへ向かうため、ここで撮影は終了。
カメラをプレスイムバッグに収納して預けました。
(同じ場所で度付きグラスを預けられます)
コース脇のウォーミングアップエリアでも多数の熱帯魚が見えます。
自然豊かなコナ、ここでレースできるなんて幸せ者です。
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15分前から入水ポイントへ移動。階段を下りるエリアが混雑するので、
130ヤード沖のフローティングスタート地点に並んだのはスタート4分前。
スイムスキンには浮力がなく、立ち泳ぎして待つことを考えると
完走目標ならこのくらいのタイムスケジュールで丁度いいです。

定刻7時5分、大砲と共にエイジ男子が一斉スタート。
(女子は15分の時差スタート)
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最前列は3列、そこから少し距離を空けてセンターからスタート。
久しぶりの一斉スタート。コースは時計回りの3.8km1周回なので
ブイとコースロープが見えやすい位置を選んだのですが、ずっと混雑したまま。
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世界レベルなのでマナーは良く、殴られたり乗られたり
足を捕まれることはありませんが、接触しまくりでした。
ずっと自分のペースでは泳がせて貰えず、ポジションを上げることも
混雑から抜け出すこともできません。
ペースを緩めると後続に延々抜かれるだけでこれもダメ。
ちゃんとウォーミングアップしてダッシュをしなきゃいけませんね。
2km辺りで喉の痛みが発生。海水の濃度が高いのでただれてしまいました(^^)
また試泳では問題なかったんですが右袖の縫い目が擦れたようで痛みだしました。
続けて腕に装着したガーミンのベルトがヒラヒラしていました。
ベルトループが接触で切れたのかと思い、それ以降は接触を極力回避。
ベルトが切れて海に沈んでしまうと、レースコントロールに支障がでるので
かなり怖かったです。(実際はベルトループから抜けただけでした)
最後の直線に入ると15分差のエイジ女子のトップグループに次々パスされます。
3.8kmを60分で泳ぎきるなんて女子コナ出場者には簡単なことなんでしょうね。
凄いスピードで自分の横を抜いていくので一瞬も付くことはできませんでした。
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スイムアップしたら、喉の調子は最悪でのどちんこの奥に血豆のようなものが
出来た模様。
タンを切ったり強く吸って潰そうとしましたが、うまくいきません。
諦めてレース続行。それに気を取られた訳じゃないのですが、
グラスのピックアップを失念してしまいました。
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グラスを預けた選手は腕に赤いラインを引いてくれます。
それを目印にするのですが、私もボランティアも気づかず通過してしまいました。
水を浴びてバイクギアバッグをピックアップ。
トランジットテントでアームカバー、シューズを装着しバイクへ向かいましたが
一向にグラスを受取るテーブルがありません。
尋ねても誰も分かりません。バイクエリア入口まで行って自分のミスに気付き
通路を戻りグラス置き場を発見。
ところが私のRayBanについてる番号が下1ケタが違う。
しかし、残っているグラスは10個で、WAYFAREAはひとつだけ。
中身をじっくり確認し自分のものと確信したのでピックアップしました。
おそらく預けた際、マジック書きした番号が薄くて上から書き足した時に
ミスしたのかもしれません。
そんなトラブルもありまして、
(T1:8:30)かかりました。
精神的には10分を超えた感じで焦りました。
次回からは忘れずバイクギアバッグに入れるようにします。

【バイク 5:27:01 1379位】
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180kmのコースを60km毎に区切って
前半は160w、中盤は180w、後半は200wの作戦。
スタートして小さなループを回って一旦クアキニHWYを南下。
ここは選手だらけで、意図的なドラフティングを取られないために
前が詰まったらハンドル上を握ったり、ラインを外すようにして努めます。
1回目の折り返し、下りは結構スピードが出る上に路面陥没あり。
下見をしておいて正解でした。当日は陥没個所のマーキングがあり、
バイク練習と同じくらいの注意喚起しておけばパンクリスクはありません。
話が飛びますが、アメリカへはCO2ボンベは持ち込めません。
(トランプ政権による対テロ防止策が強化された影響)
会場で$4で売っていましたが、インフレーターを携行し運に任せを選びました。
そんな事情もあって安全運転です。
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キンカメに戻ってきて10km。そこから坂を上っていよいよクイーンKに入り
HAWIの2回目の折り返しを目指します。
ここに至っても混雑は緩和せず、ドラフティングを取られないように
慎重に走ります。
バイクエイドは7マイル(11.2km)毎。かなり多いです。
私はダウンチューブに朝食に摂ったものと同じ濃いめの粉飴をボトルに詰めて
リアゲージは、ショートボトルに水を、もう一方はエイド用に空けておきました。
レース前に気になっていたバイクボトル。
ゲータレイドもペットボトルでした。
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ふたを回すと開封でき、逆に回すと閉まります。
これをバイクボトルと言えるか微妙ではありますが、
グリップ部分の凹凸が効果的なのか、はたまたクイーンKの路面が良いからなのか
ボトルを落とすことはありませんでした。
bikebottle2.jpeg 一方、水はペットボトル。バイクボトルと同じ吸い口をしていますが
キャットアイを踏んでバイクが跳ねた時、水ボトルを1回だけ落としてしまいました。
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クイーンKは道幅が広く路面もきれいです。
そんな状況でもドラフティングする選手はいます。
ごく一部ではありますが、女子トップアマチュアが10人ぐらいの
パックでやってきた時には流石に驚きました。
ドラフティングしなくても速いはずなのにもったいないですが、
グレーゾーンで戦うことも世界戦なのかもしれません。
最初のペナルティボックスは45km。
この手前から本格的なドラフティング取り締まりが始まりました。
私の傍にいた選手がブルーカード(5分ペナルティ)を出された時は
ビックリしましたが、完走目標ならドラフティングに対して慎重に走る方が
楽しいです。
QueenK1.jpeg ペナルティボックスを過ぎるとクイーンKは溶岩台地になっていきます。
(写真は空港あたりでまだ草があります)
QueenK2.jpeg QueenK3.jpeg QueenK4.jpeg 
左右に広がる溶岩。もう感動しまくり。
昔、トライアスロンジャパン誌で見た景色が目の前に広がります。
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60kmを過ぎて第2段階180w巡行。第1段階の160w共々
楽々のはずですがうまくコントロールできません。
長くエアロポジションをキープするのがきつくて
ストレッチしたりポジション変えますが、つらいです。
HAWIを折り返し、下り基調になるとコナウィンドを警戒しました。。。
が、今年は吹きませんでした。終始曇り空で気温も上がらず
絶好のコンディション。バイクは各カテゴリーで記録ラッシュでしたが
私は厳しい戦いでした。
120kmを通過し第3段階200w巡行はまったくできず
180wすらキープできない状態です。
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マルちゃん、マサさんにパスされ最後の60kmは何台抜かれたか
数えられないくらい順位を落としました。
世界レベルの女子やおじいちゃんはハンパなく速いです。
40km/hで巡行しても抜かれるし50km/h巡行でも抜かれました。
その時は決まって後ろから「ゴーー」って低い音が聞こえてきて
PX5だったり、とにかく良いバイクなんですよね。
こちとら2007年モデルの Old ORBEA。もうこんなバイク乗っている
トライアスリートはいないんじゃないかなと思っていたら
クロモリも居るしドロップバーでエアロハンドル無しなんてツワモノもいます。
バイクの弱さを思い知らされた5時間半でした。
そんな辛い時は、「よしプランBだ!」とか「コナを走れるなんて幸せな事だ!」とか
自分に言い聞かせて乗り切りました。
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(T2:7:15)
バイクを降りたらボランティアに預けて、長い長いトランジットランです。
2300台をぎゅうぎゅうに詰めたカイルアピアをグルッと岸壁沿いに一周して
テントへ向かいます。

とても走れるほど足が残っていませんので歩いたり走ったりしながらです。
シューズと靴下を履いてテント内にあるトイレで「小」を済ませてから
再スタート。何かトラブルがあったわけじゃないけど
時間がかかっています。

【ラン 3:52:11 918位】

クアキニHWYを経由してからアリィドライブを南下。
計画よりパワーを出していませんが、脚が売り切れて出足は最悪。
痙攣しそうだったので何回目かの「プランB」発動w
歩道に腰かけて太ももをマッサージ。
隣にいたおばあちゃんが心配そうに私を見ていますが、
無理をして走って足が痙攣してからマッサージやストレッチするよりも
発症する前にケアした方が治まりが良いと考えました。

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僅かでも建物があれば影を選んで走ります。
暑い14~16時を消耗せずに走り切る。これが猛暑のランでは大切です。
アルミ蒸着のハットとネックカバーはフィリピンに引き続きのスタイル。
インスタ映えより機能優先です。
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冷却は手のひらを冷やす作戦
エイドに冷えたペットボトルがあれば手に持って走りますが今回は有りません。
代わりにエイドにあるスポンジを両手に持って走りました。
水が下に落ちるので、定期的に裏表をひっくり返して走りましたが、
涼しい上に軽量でかさばらず走りやすかったです。
そこにあるもので代用を考えるって楽しいです。
ファフォエホエ海浜公園で1回目の折り返し、キンカメをかすめてクイーンKへ。
この辺りは応援が多くて、見知らぬ外国人の方もレースナンバーにある名前をみて
応援してくれます。
「マサキ、Go Go」とか「Good job マサキ」とか。
まだ、10kmしか走っていないのに感動して涙が出てきました
「まだ30km以上あるのにね~」なんて思いつつ、急坂を超えていきます。
クイーンKに入ったところでELECTROLYTE SALTってサプリを配っていました。
名前の通り、中身は塩です。
プラスチックの容器にフリップタイプのフタがついていて、
食べる時は開けた容器の口を親指で塞ぎ、指についた僅かな塩を舐めるんです。
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めっちゃ塩辛く水が欲しくなるのでエイドの前に摂るのが良いと思いますが
おかげで痙攣は起こしませんでした。(クランプストップも併用)
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クイーンKに入ると影は一切なく、ひたすら我慢。
キロ5.5分をターゲットに刻みました。
クイーンKは大きくうねりのあるHWYでペースが上げられません。
上りは無理をせずペースを下げて凌ぎます。
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(両手にスポンジ)

クイーンKを離れ、空港へ下る道。ここが一番きつかったです。
折り返しが見えてこず、テントが見えたと思ったらレッドブルだったりで
心折れまくり。大きく下った後は折り返して上るんですからツライ、ツライ。
歩き始める選手が増えるのもこの辺りです。
ここで歩き始めたお姉ちゃんを見つけたので
「楽しもうよ!一緒に行こう」って声をかけたら付いてきました。
名前は聞きませんでしたが、アラバマ州から来たと言っていました。
私は日本から来たって毎回答えるんですが、
必ず「日本のどこから来たのか?」質問されます。
東京ならいざ知らず、大阪や札幌と答えて知っているのか定かじゃありませんが、
日本の首都と付け加えます。
こんな会話で元気を取り戻したお姉ちゃんは、その後元気を取り戻し先に行ってしまいました。
距離表示はマイルですが、キロもたまにあります。
フルマラソン同様、35kmからペースアップ。
7kmなら動かなっくなった足でも走り切れると分かっています。
ターゲットは決めずペースを上げてみたらキロ4分50秒だったので
キロ5分で巡行することに決定。
走っていて気づいたんですが、私の周りのランナーはコース取りを意識していない方が
多くて無配慮にカーブの外を走っていました。
直線が多いですが、緩やかなカーブでも長いと大きな違いになります。
ペースアップしたおかげでクイーンKの最後で視界から消えたアラバマ娘をキャッチ。
「は~い、アラバマガール!」って声をかけて誘いつつも
こちらは千切る気満々(笑)

キンカメへ向かう急坂を降りて振り返るとアラバマ娘がぴったりくっついてきました。
「いいね~、グッジョブだ」と笑顔を作り、ペースを上げました。
run4.jpeg ラスト1kmの表示。溢れる歓声。もう最高の気分です。
goal2.jpg 
花道を駆け抜ける時間、全てが報われたように感じました。
goal3.jpeg (私の右隣がアラバマ娘です)

ゴール後もホスピタリティ溢れる対応がコナの魅力を更に引き上げます。

私の左隣の女性がゴール担当で 『おめでとう。よく頑張ったね。これからドリンクブースに案内するよ。水とコーラとゲータレードがあるけど何が欲しい?歩ける?どこから来たの?』

肩を貸してもらいながらたくさん話しかけてくれます。
身体が熱いから水をかぶってからコーラ飲みたいってリクエストしたら 取りに行ってくれて、水をかける事まで手伝ってくれました。 (完全に過保護ですよ)

続いて、次のボランティアに引き継がれてフィニッシャーキットの受け取りテントへ。
ここでも『おめでとう。良くやったね。どこから来たの?出場は何回目?』
みんな、本当に短いお付き合いなのにたくさん話してくれます。
会話が楽しめると英語を勉強していて良かったと思えました。これでまた頑張って勉強しようってモチベーションも上がります。コナの期間も英語アプリDUOLINGO は続けました。

フィニッシャーキットと預けた荷物を受け取ってから記録証受け取りテントへ。
チップで計測された三種目の中タイムを手書きしてくれます。 プリンターじゃないのは妙な感じですが、理由は不明です。
広場でくつろぎながら、フィンガーフード、アイスクリームを食べて マッサージ受けて、回復するとバイクピックアップの19時。 以上で私のBig Day の全て。 コナのレースを疑似体験を楽しんで頂けましたでしょうか。
運良くコナフィニッシャーになる事が出来て、 もうトライアスロンを辞めても悔いが無いほど満足しています。
この地で力を出し切れた事が何より嬉しく、 コテンパンにやられても、
世界でのポジションが分かったし 苦しい事よりもここでレースをさせて貰える喜びがずっと上回っていました。
コナは目指すべき価値が本当にあります。
もし、誰かが初コナを迎える時にこの備忘録がわりのレースレポートがお役に立つと嬉しいです。
皆さんの応援、『イイね』が励みになりました。 本当に感謝感謝です。

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