ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

(レースレポート) Ironman Langkawi Malaysia

10:46:37 総合86位 年代5位

 アイアンマン ハワイ出場決定!!

 

力を出し切る、この一点にだけ集中して

調子の乱れもコントロールできた会心のレースでした。

 

■プロローグ

今季の新たな取り組みはオンラインコーチング Endurance Nationの導入。

Tri club世界一を5度も受賞し、今なお記録を更新し続けるチームのノウハウに

興味を持ち、トップエイジのゲジさんの秘密を知りたくて5月に入会。

自分の経験に頼った昨季までとの違いは、

・スイムは300~400mのペース練習

・バイクはパワーゾーンによるコントロールライド

・ランはキツイ練習無し(個人の感想です)

 

週間練習時間は2割減って、スイートスポットのちょい苦しいメニューが増えたこと。

手応えは感じていましたが、7月に更年期障害が再発。

発覚1週間は緩めたものの、それ以降は計画通りに戻して遂行。

 

追い込み期間(キャンプウィーク)のドカ練もクリア、

その殆どを一人練習で過ごし、人とは競わないメンタル、言い換えれば

自分の作業と粛々とこなす姿勢がが出来上がっていました。

 

 

■レース前は粉飴ボトルと味噌汁

 

当日は3時30分起床。シャワーを浴びて目を覚ましてから食事。

ホテルは真夜中に朝食を準備してくれましたが、

いつも通り粉飴ボトル(ロングボトルの7割が粉、加水すると直ぐに嵩が減る)

 

口が寂しくてパンを食べたりしたこともありましたが、

消化不良でスイムで苦しい思いをしたので今回はこれだけ。

でも、やっぱり口が寂しい。

ってことでインスタントの味噌汁を飲みました。

塩味で美味しいですし、消化面も不安なし。

発酵商品ですからプラスアルファの効果があるかもしれません。

f:id:kus110:20191029184546j:plain

 

ホテルを出発し、夜明け前のトランジットでバイクのセットアップ。

スコールでチェーンオイルが流れているので足しオイル。

空気圧は11を薦められましたが、降雨の下りを鑑みて10気圧にしました。

普段は7でしか乗らないのですが、跳ねるバイクを抑え込んででも

ランカウイでは高気圧にメリットがあるという辻本さん(キャファ)のアドバイス

従いました。

f:id:kus110:20191029181106j:image
f:id:kus110:20191029181116j:image

 

【スイム 3.8km 1:10:57 エイジ16位】 

 

プールでは3度の3800mレースシミュレーションをこなし、

1時間10分を安定して切っていました。

前日の試泳では、流れや波もないことを確認。

練習を再現するつもりで6番目のグループでスタートしました。

 

f:id:kus110:20191029181326j:image

Garmin 945は、500mごとに距離アラートを設定。

これで距離の感覚はばっちり把握できていました。

前を塞がれることも、集団に抜かれることもありませんでしが

透明度が低いため何度も足の裏を撫でられました。

これが非常に気持ち悪い。

 

一列で泳いでいるので、僅かに肩幅分をラインずらせば防げるはずなのに

ドラフティングでしょうかね?それともコースを譲れの合図だったのかな?

ここは冷静に自分の仕事を遂行しました。

 

1周目が34分50秒台、「練習通りやん!」とニヤケ顔でもう1周。

透明度以外は世界で屈指の泳ぎやすさ、蛇行することなく上出来の位置で

スイムアップしました。

 (おまけ T1 6:22)

日焼けと汗流れ対策でカーフガード着用。

ノンウェットでは初めての経験で不安でした。

ソックスを履いてからカーフガードを着用するとスムーズだと教えてもらい

うまく出来ました。

アームカバーはクルクルと織り込んで手首を通してからまくり上げる方法。

これは何度もやっているのでスムーズです。

身体が濡れると片手では、まくり上げにくくなるのでトランジットで

しっかり装着しました。

コーチPは、「ゆっくりが一番早い」とも教えてくれたので

焦らずゆっくりやりました。

 

 

【バイク 180km 5:34:49 同8位】

 

焦らずトランジットしたはずなのに、バイザーを下げ忘れました。

これに気づいたのはT2直前。

バイザーは空気抵抗を減らし様々なメリットあるはずですが

私にはないのかな?
f:id:kus110:20191029181147j:image

(地元の走るフォトグラファーJack Ah Beh氏の写真にもばっちり写っていますねw)

 

身体を水平にして1時間泳いだ後、自転車に乗ると序盤の心拍数は跳ねまくりです。

ここで無理をすると後半がキツくなるので40分はスローペース。

後続にバンバン抜かれますが、休むつもりでしっかり息を整えました。

 

最初こそ160拍や150拍でしたが、40分も経つと120拍以下になっていたので

ここからがリアルスタート。

平地巡行と上り、激坂とそれぞれにパワーゾンを決めて

ひたすらパワーメーターの値とにらめっこ。

 

モンキーゾーンの往路こそ知り合いを見つけて数えていましたが、

力を出し切ることと他人は無関係なので数えることを止めました。

数えたところで速く成る訳でもないし、分かると意識して心が乱れるし、

数えるだけで目を消耗しますから。(頭の中はクールでドライでした)

 

序盤は楽だったものの、1回目のKuahの坂、

続く10%で道幅の狭い坂を通ると足は削られます。

交通規制のないレースは皆生で慣れていましたが、それでもヒヤリハットが頻発。

地元の子がハイタッチを求めて手を伸ばしたり、届かないと応援ボードを伸ばしたり。

サルの群れが道を横断して集団落車が発生したとも後から聞きました。

 

自分は危うきに近寄らずで、子供やサルが見えたらセンター寄りを走り

車に前を塞がれたら練習と同様に足を止めてやり過ごしました。

タイムロスはありますが、落車するよりマシです。

 

ローリングスタートでバイクはバラけましたが、ひとりだけ

ドラフティングの酷いライダーがいました。

チェーンの変速音が聞こえて振り返ったら真後ろにぴったり。

追いついて近づいた可能性もあり、しばらく自分のペースで走りましたが

離れる気はなさそうなので、上ハンドルを握ってペダルを緩めました。

さすがにこれで前に出てくれました。

その後も彼はコバンザメを続けていましたが、

彼自身が前を引くと途端にペースが鈍ったので

足を使い切ったと見極めたところで巡行ペースを再開。

綺麗に千切れてくれました。

 

IMコリアではムキになって千切って足を使い切ってしまったことがあるので

ここも短気を起こさないことが賢い選択だと思います。

 

コース全体で木陰が多く涼しいのですが気温が30℃を超えてきました。

補給はダウンチューブの粉飴ボトル。エイドでは水ボトルを2本取って

掛水していました。

いつもはこれで走り切れるのですが、粉飴ボトルが140kmで空っぽに。

キャメルバッグのポーラボトル(保温機能)を捨てるのはもったいないので

エイドで立ち止まってアイソトニックドリンクを詰めて再スタート。

ここでも、ゆっくりが一番早いと言い聞かせました。

 

時を前後して、ペダルを踏みすぎたのか足指の腹が痛くシビレてきました。

普段は裸足でバイクシューズを履くことが多いので

ソックス(ダーンタフ)分が厚くなったことが原因かもしれません。

ギアを落とし回転を上げてワット数を維持しましたが、うまくいきません。

こんな時はプランB発動。巡行目標の△10%に緩めました。

回復して来たら元に戻しましたが、長くは続かず

ジリジリするような神経戦でした。

 

最後の10kmを切ってリキさんがカッ飛んでいきましたが、

ここも追わずに自分のペースをキープです。

 

(おまけ T2 3:33) 

濡れたソックスをItoixに交換。

 

【ラン 3:50:58 同9位】

 

勝負のランパート。最後まで走り続けられることが重要なので

最初の10kmは敢えてペースダウン。

後続に抜かれまくりで心は穏やかではありませんが、

灼熱のランは暑い時間帯に消耗しなことが肝心です。

皆生やスービックベイの経験から強く考えています。

気温は33℃を超え本当の勝負が始まりました。


f:id:kus110:20191029181143j:image

エイドで水を被り、アームカバーとネックカバーを濡らして気化熱を利用します。

モンベルの遮熱ハットの中にジップ付き袋に氷を入れ脳も冷やしました。

 

f:id:kus110:20191029184628j:image

今回のおためしギアはこのスポンジ。

スポンジ中央に氷を格納できるポケットを設け、

手を放しても掌に固定できるようゴム靴紐をつけました。

 

テストせずにぶっつけ本番だったのですが、

氷がこぼれてしまい失敗作になりました。

 

しかし、スモールサイズの水ボトルを掌に固定するにはピッタリ。

掌は反射区があり冷やすと体温が下がります。

冷たいボトルで掌を冷やし、飲んだり、掛水したり。

とにかく体温を下げるように工夫します。

 

前日まで必ず降ったスコールは、なぜか不発。

ずっとピーカンです。途中涼しくなって降るかと思わせておきながら

お湿りにもならない水滴が僅かに落ちた程度。

涼しくなったら高速展開になると思い、冷却を飛ばしたら

続く区間はまた気温が上がって後悔したり。


f:id:kus110:20191029181133j:image

コース上の面白看板、これが読めたらあなたは遅すぎる。

あ~、読んでいるともさ、余計なお世話だよ!

笑えないのは心に余裕がないからでしょうか。


f:id:kus110:20191029181058j:image

そんな心が折れそうなところを救ってくれたのが

こちらの姫様ふたり。


f:id:kus110:20191029181123j:image

最後の周回へ入る手前で、アスリートトラッカーの情報を大声で教えてくれました。

「今、8位。前にふたり居るよ。上げられる?」って。

そんなこと言われたもんだから、スイッチ入っちゃって

ふくらはぎのエイジ区分をチェックしながら追走開始。

f:id:kus110:20191029181126j:plain

イカの被りモノしてたから、レース以来

イカ勝利の女神に見えるのね。

 

エイドステーションにはスイカが用意されていたので

必ず摂取。

ドリンクばかりだと胃にたまってチャプンチャプンになるけど

イカだと平気なんだよね。

身体を冷やす作用や血管を広げるシトルリンが入っているから

いっぱい食べました。


f:id:kus110:20191029181119j:image

(今、痛みでいっぱいかい?明日まで待って)

待てねーよ!


f:id:kus110:20191029181102j:image

(今日はアイアンマンでお漏らししていい日だよ)

そうだね。うん、うん。

 

チェックインでお会いした宮塚英也さん、

徒歩移動で鷲津選手をフォローしていたんですが

私にも応援してくれました。

これ嬉しかったです。
f:id:kus110:20191029181139j:image

帰りの飛行機が一緒だったので成田空港で御礼を伝え、

長年愛用している持ち物リストにサインを頂きました。
f:id:kus110:20191029181111j:image

14年経っても使ってますよ。TJは引っ越しで全部捨てちゃったけど

これだけは手元に残しています。

充電忘れやガーミンのオートストップ設定、足ふきタオル2枚、風邪薬とか、

忘れものや失敗するごとに書き足して重宝しています。

f:id:kus110:20191110181003j:plain



そんなこんなで、必死に走ったら5位でゴール。

f:id:kus110:20191031203405j:image

どこで抜いたかなんて分からないけど、自分の前を走っているってことは

そこまで無理しているはずだから

なんの根拠もない思い込みと声援を力に変えたおかげです。

 


f:id:kus110:20191029181130j:image

 

226kmも走れば不調のひとつやふたつはあります。

それも想定してプランBを用意しておくこと。

アイアンマンは全てに備えることが大切です。(知らんけど)