ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

第32回全日本トライアスロン皆生大会レポート 『力を出し切れ!』

走る前に自分へ課したテーマは、『力を出し切る』
ばっちり力を出し切る事ができた。

【第1ラン 8.3k】84位通過 0:32:41

前日から大荒れの海。波消しブロックに当たって砕け立ち上がる水柱は5mを遥かに越え、
外海に面した皆生が1日で静まるとも考え難く、ブイ設置もままならず、デュアスロン濃厚。
正式にはレース当日5時に発表だったが前日20時には決定していた模様。
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 スタートは繰り下がり7:40。前列3段目、隣はシルトラのターザン氏。わいわいガヤガヤの
楽しい雰囲気の中、長い1日が幕を開ける。
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 序盤、サブスリーペースより速くならない事と心拍が上がり過ぎない事をチェック。
案の定、オーバーペース気味の集団にバンバン抜かれるが無問題。
レースナンバー1の藤原選手には土手に上がってから抜かれたので私も少々オーバーペースか?
ターザン氏は遥か前方で展開、岡山のNoguchi君を見送り、女子トップ大松選手の背中が
見えるところから、ゆっくり離されつつ山の駅kuruma氏より前でトランジットへ。
トランジットを考慮し、バナナサンバイザーは止めた。おかげで声をかけてくれる人は顔見知りのみ。(残念)
日焼け防止も兼ねてバイクグローブとアームカバーをしたが暑くて難儀した。

【バイク 145k】64位通過 4:52:42

スイムより自信のあるランのおかげで前方で展開。簡単にはパスできない順位と判断し
心穏やかに巡航。例年熱中症に悩まされるバイク。ボトル3本のうち1本は被り水を用意。
スタート直後からアームカバーと頭、背中に水をかけて冷却。10時間先を見据えたこの作戦は
凄く効果的だった。

残り2本には、塩入りスポーツドリンク+『ここでジョミ』。
ロングボトルは濃い目に作りエネルギー補給系、ショートボトルは薄目で水分補給系とした。
これも効果的で固形物補給の回数を抑制しタイムロスが少なくて済んだ。

皆生のバイクコースは前半50km、中盤50km、後半50kmに分割し作戦立案。
前半は、大山道路を上りきるまで。体力があるからといって油断せず省エネ走行。
暑さ対策を怠ると後半失速する。宮古島2勝のパク選手が大山道路の手前でリタイヤする位に
このコースはえげつないのだ。15kmでkuruma氏にパスされる。ここが我慢のしどころと思い
ペースを上げるがジワジワ離され背中が消えてしまった。

中盤は、中山折り返しまで。名物の長い下りと長い上りを繰り返すジェットコースター。
勢いつけてアウターごりごり踏み倒しがマストだが、足へのダメージとかけ引き。
適当なところでインナー使うか、アウターローを短時間使うか都度判断。
皆生のバイクコースは上りの辛さに注目しがちだが、つなぎの平地がより重要だと思う。
今回ディープリムを投入したのも平地と下りにアドバンテージを得ることを優先したから。

終盤は、ゴールまで。バイクの最重要区間で、ここまでに足と腰を使いきると大ブレーキを起こす。
今回は、強い向かい風で平地でもインナーに落としたり横風に煽られてヒヤッとする事多々。
二段坂の手前は風地獄で、それ故DHポジションをとれないと大きくタイムを落としてしまう。
Bowちゃんと春先から取組んだコアトレーニングのおかげで腰が最後まで踏ん張れた。

【第2ラン 42.2k】総合41位 年代10位 3:56:07

濡れた靴下を履き替え13時過ぎに走り始める。40分繰り下がったスタート時刻が恨めしい。
トランジットエリアから出て直ぐにマーシャルに呼び止められる。一瞬ペナルティかと思い
ドキッとしたが「Just a moment!」と英語で話しかけられ、背中のレースナンバーを正してもらう。
どうやらゼッケンベルトで見え難くなっていたらしい。それにしても外人に見間違えられたのは何故だ?


走り始めて直ぐにアクシデント。ouランドを過ぎたところ、歩道の段差に躓き転倒。
後ろにいた女子2位細川江梨子選手が心配して声かけてくれる位の大転倒(ワハハ)
手のひらと脛に血が出たけど支障なし。次の信号待ちで細川選手がまた声をかけてくれる。
路面が結構ゆがんで盛り上がっていたらしいが、ぼ~っとして気づかない自分を戒める。

5km地点の天満屋エイドで氷補給。今回の秘密兵器はコレ。
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モンベルUL.MONOショルダー(だだーん!!)

出発前日に見つけた逸品で肩ヒモの長さを調整できる。超薄で氷の冷たさを伝えてくれて丈夫な生地。
値段も1650円と超オススメ。

首から下げてからジップロックに氷を入れ、
ジャージの内側で心臓を冷やすように長さを調整。溶けてきたら飲んだり被ったり。









信号停止やエイドステーションの補給を含め5kmのラップは27分半~28分半。

トップとすれ違う位置が例年より奥だったので自信を持って走れたが、
15kmを過ぎて暑さにペースが乱れ始める。
ターザン氏とは折り返し1km手前、続いてNoguchi君、リレーのKouさんともすれ違う。
足取りがスムーズな3人にに追いつくのはかなり難しいと思ったが、
「お前は、力を出し切っているか?」と自らに問いかけつつペースを刻む。
折り返し手前の信号でhamaさんに追いつく。とても故障明けとは思えない恐るべし46歳!

帰路は、楽しい事いっぱい。知り合いはもちろん、見知らぬ方から多数「バナナマン、ファイト!」とか
「○○です。ブログ見てます」って声かけてもらう。本当に嬉しかった~♪ ※いわいわさん、ありがとう!!

今回新設された、まんが王国前のコスプレ・エイドも笑ったけど、
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普通のエイドで高校生から「でたー!バナナマンや」って取り囲まれて
手加減なしで水ぶっかけられて(爆笑) 手荒い歓迎をうけたのがサイコー!
せっかくソックス履き替えてシューズ濡れないように注意したのが台無し。
でも、それ以上に力になった。ありがとう。来年もボランティアお願いします!
今年もバナナサンバイザー被って良かった。

往路にはなかった広島鉄人隊の私設エイドが復路で営業中。
よかった~、今年もアイスクリームとコーラ頂戴。パワーになった。

後半に入ってTeamRockの方と並走。氏はめちゃめちゃ余裕で、
エイドを先に出発しても必ず抜き返される。先に行って欲しいが行ってくれない。
ジリジリした均衡状態が続くが35kmを迎えたので全開走行に移ると僅かにリード。
信号に引っかかったのか途中で一人旅になる。勢いそのままに突っ走る。

皆生のマラソンには2つのゴールがある。1つ目が37km過ぎの2段階信号。
ここで集団は区切られるため前の集団に追いつくのはかなり難しい。
集団スプリント合戦の挑戦権獲得には前の集団に入ることが重要なのだ。
判っていたが信号に引っかかり前集団への合流失敗。
気を取り直して信号待ちの間に座って休憩。氷水を飲んで最終スプリントへ備える。
幸い同集団はリレーがふたり。駆け引きなく全力で走る事ができた。
青信号と同時にスルリと前に出てペースを上げる。歩道橋に上がったら
豆粒ほどの前走者が見えた。痙攣しかかっている左ハムにクランプストップ注入。
思い切って飛ばす。ラスト1kmで背中が大きくなりロックオン。競技場まで100mを切ってオーバーテイク
足がちぎれるかと思ったが、くっついたままゴールイン。
胸を張って自分に答えられる。「力を出し切ったレースだった」と。

年代別は10位。上には上がいる。
振り返ると年代10位のトレーニングしか出来ていなかったという事実。重いな。
方向性は間違っていないが底力が足りないと思う。

【力を出し切るはメンタルに良い】

今回のテーマ「力を出し切る」には元ネタがある。先月朝日新聞朝刊に掲載されていた記事に
メンタルトレーニングの話題があった。心理学者がオリンピック候補選手に施したエピソードで
「誰かに勝ちたい、良い演技をしたいと思う程、体は硬くなり気持ちが縮んでいく。
持っている力を出し切る事に専念すると力みが消えて好成績を出せた。」そうな。
相田みつをの作品にも共通する、「みかんをリンゴにしようとせず、ありのままを出す」。
この言葉は、なんにでも使える魔法の言葉かもしれない。

【番外編:シャワールームでも英語】

シャワールームの更衣室。隣の選手から英語で話しかけられた。
台湾の選手でフィニッシャーTシャツはいつ貰えるの?といった主旨だった(と思う)
あいにく英語も北京語も話せないが、更衣室には私しかいない。
意を決して単語で返す「トゥモロー、アワードパーティ」。精一杯である。
氏は更に話を続ける。
聞き取れたのは、めっちゃハードだった。タフなコースだ。何回目の出場?
「エブリバディ セイ モーストハードコース イン ジャパン」「テン タイムス」
いよいよイッパイイッパイである。
氏は更に続ける。10回も出場したの!クレージーだ。
「ユー トゥ」
氏は爆笑してくれたが、こちらも笑うしか出来ない。もう単語を知らない。
とっさに一言しゃべれる力が欲しい・・・。

【最後は仲間に感動】

初皆生のふたり、やっちゃんとみさと嬢。ランのすれ違いで元気な姿を確認するが厳しい環境で
いつ足が止まるかもしれない状況。ゴール制限時間30分前のアナウンスを聞き焦るが、
みさと嬢、やっちゃんと程無くゴール。制限時間を目一杯つかった見事なタイムマネジメント
エントリーフィーの時間単価を引き下げる素晴らしい展開。やっちゃんはバイク関門2分前で
潜り抜けランでは20分の余裕をもってフィニッシュ。
みさと嬢 は年代別4位。凄すぎ!
Jさんは幾多の苦難あって第1ランから厳しい展開。それでも最後まで諦めず走り続けて
制限時間に1分届かず。リザルトを残す事は叶わなかったが挑む姿勢にトライアスロンの原点を
見る思いがした。

みなさん、応援ありがとうございました。
ボランティア、米子の皆さん、また来年もお願いします。