ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

(提言)溺死しないために備えること

ケアンズ、バラキンでスイム事故がありました。



去年からずっと続く事態で議論は尽きないところですが、命拾い2度の経験から一言書き残しておきたいと思います。


皆生、佐渡など大きな大会が続きますので本番をむかえる前にご一読いただければ幸いです。

最後に頼れるのは自分自身ですから。

■ウェットスーツを新調する


2015年シーズンのスイム事故を受けて活性化した議論の中でもっとも
印象的だったのは西内プロ提唱の「劣化ウェットスーツ原因説」でした。
伸びなくなったウェットスーツが胸を圧迫することが主因とみる指摘だったのですが
私は自分のケースに照らし合わせても、これが一番真実に近いように考えます。
自身が初めて溺れた湖北練習会では、10年ものの2ピースタイプのウェットスーツ。
夏用長袖バイクジャージ、ハートレート用のトランスミッターを着用したことで
更に胸の締め付け感を高めてしまったと思います。(2013.06.23)

scribbleofbourgogne.hatenablog.jp



あわせて、正しく着る事も心がけてください。

袖や股下が上がりきっていないとネオプレーン生地が突っ張り窮屈です。
オススメな方法は、ウェトスーツを着る前に身体にあてて、生地を伸ばさずに着た場合の袖口、裾の凡その位置を把握する事です。
最新のウェトスーツは、伸びが良いので多少の突っ張りはカバーしてくれますが、
肩と股下を合わせた後、袖口と裾が自分の手足のどの位置にくるか見当をつけて
から着ると生地の偏りを緩和出来ます。

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■しっかりウォームアップをする


湖北練習会では100mで不調を訴え溺れました。ウォームアップ不足なのに国体選手に付いて
不相応なダッシュかましたことが原因です。理想は500m、10分はアップしたいところです。
それが無理ならsgnさん推奨のバタフライ。25mでも息上がりますし、それすら無理なら呼吸を止めましょう。
心拍数はあがるはずです。


■低水温は要注意


イワタでは、前日の雨が池に流れ込み水温21度。ウォーミングアップする余裕がなくスタート地点へ移動し
フローティングスタート。150mで胸が苦しくなりました。(2015.09.27)

http://blogs.yahoo.co.jp/kus110/65569674.html

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(JOYのみなさんとイワタスタート前)

この時は3シーズン目のオルカ廉価版ウェットスーツ。特に窮屈さはありませんでしたが、
この一件があり念のため今年Huubに買い替えました。


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湖北の経験を活かし(活かしきれていないけど)、近くのライフセーバーを呼び寄せ、ボードにつかまらせてもらいました。
ボードにあがると失格なので、つかまるだけです。深呼吸を繰り返して再スタート。
水から上がらなかった分だけ回復遅く、第1、2ブイの中間で2回目のストップ。
平泳ぎを交えて400mを過ぎてようやく苦しさから開放されました。


■水から出ないと息苦しさは戻らない


湖北の時は、苦しくなったあと、平泳ぎ→仰向き浮き→立ち泳ぎしても苦しさから開放されず、
コースを外れて一旦岸に上陸。動悸が治まってからスイム再開。
水圧がかかる水の中では回復不能です。上半身全部を水から引き抜いてから水圧から肺と横隔膜を開放してあげましょう。


■予兆を感じたら酷くなる前にストップする


レーススタートの時系列に並べていますが、ここが一番重要だと思います!
初期段階で休止したからこそ私は命拾いしました。どうにもならんところまでいって休止しても
回復に時間を要するばかりです。
スイムが得意な選手が溺死した昨年のレースを踏まえ、不測の事態はスキルの高低に関わらず
発生するものと覚悟してください。


最後のとどめです。
「捨てるのはレースですか、命ですか?」

トラブルがあっても休めば回復します。その後がんばればイワタのように
総合11位、年代2位が転がり込んでくるかもしれません。
判断力も私たちは試されていると思います。

今年3月に知り合いを滑落事故で亡くし、その喪失感はものすごく大きく、
残りのシーズン、スイム事故が起こらないことを強く祈念してこのブログをアップします。