「歌声にのった少年」試写会に行ってきました。
パレスチナ ガザ地区に住む少年の夢は歌手になること。
めちゃくちゃに壊され鉄筋が剥きだしの瓦礫の街。
皆、生きることに必死で子供からも容赦なく巻き上げ、暴力を振るう大人たち。
腎不全を患い、透析の甲斐なく命尽きていく幼い姉の命。
この世の全ての不条理が詰まったガザの日々に言葉を失います。
青年になっても変わらぬ不条理。時間は問題を解決してくれない。
目の前の世界を変えるため、苛烈な人生に立ち向かうことを決意します。
オーディション番組にスカイプでの参加を試みるも、停電に阻まれ失敗。
今度は闇夜に紛れて有刺鉄線に挑み、合法的な出国が叶わないと分かれば偽造ビザ、検問突破し密入国。
オーディション会場にようやく辿り着いたにも関わらず、整理券が受け取れず途方に暮れる。
それでも諦めない。ベランダをよじ登り隣の建物から会場に潜り込む。。。
人から奪い取ったり、だましたり、傷つけることは一切なし。
発砲や爆破シーンもなく、スクリーンには懸命に進もうとする
「普通の青年」の姿だけが映し出され続けます。
有史以来、国や宗教、民族が対立し、いがみ合っているとしても
そこに暮らす市民は「普通に生きる」、平和を願ってやまない同じ人間である、
愛すべき隣人であることを強く印象づけられました。
1滴の血を見せることなくガザの現実を描き、逆境に屈せず希望を叶えたヒーロー。
そのヒーローの誕生はわずか3年前。現在進行形のお話です。
現在、ムハンマドは国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使に任命され、
世界を自由に行き来できますが、その彼でもガザ地区に戻るためには特別なビザが必要なのです。
この映画が、彼の存在が、パレスチナ和平の一助になることを願って止みません。
9月24日全国公開です。
昨日のworkout
ラン10km