ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

(映画)Personal Gold

オリンピックでメダルを狙うため全身全霊を傾けることは理解していても
ここまで具体的に努力をしなきゃならないんだ、
そして、人はここまで頑張る事ができるんだ、って事に感動しました。

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主人公たちが団体追い抜きを目指す事になったきっかけは、
オリンピックの個人種目が無くなってしまったことでした。
ソフトボールや野球が同様の憂き目にあいましたが、
当事者からすると受け入れ難い心境だろうと想像します。

そこで諦めず引退したケイリンやスプリントの選手を集めて
チームを組んでみるものの結果は出ません。
3分20秒を切るタイムで全力疾走といえば、陸上なら1500mに相当し
そこにスプリンターを充てるんですから無茶です。
迫るロンドンオリンピック
時間もお金もない彼女たちを救ったのは旦那さんと無償で手伝ってくれる
各界のブレーン。

気候が良くて物価の安いスペイン マヨルカに全員で引っ越して合宿。
旦那さんは、メカニックに料理、洗濯、掃除、サポート車の全てをこなし
不調にあえぐ時はメンタルを支える。この旦那さん達の献身がなければ
絶対に彼女たちは潰れていたでしょう。

また、たった一人のコーチは世界中のブレーンに対しスカイプで助言を求める。
時にはデータ分析のプロが活動量計から得られたビッグデータを解析し、パフォーマンスに関わるファクトの相関性を可視化し、
時には海軍特殊部隊の軍人が組織論を用いて、補欠選定において配慮すべき事項を説く。
時には栄養士がビタミンDとテストステロン欠乏の処方を説く。

選手個人が才能と努力だけで上り詰める訳ではなく、チーム総力戦の姿が描かれています。

パフォーマンスが上がらない原因を探し続け、布団の表面温度や室温。
レム睡眠の長さと入るまでの時間。
集団ロード練習時のパワーメーターと心拍のデータからオーバーワーク気味の理由を
選手選考に不利にならないようにしたい心理的な要素であることを突き止めたり。
2012年ロンドンオリンピック当時で、スポーツ科学はここまで来てたんですね。

字幕付で本作品を見る事は今後日本ではないかもしれませんが、
映画作品として、スポーツドキュメントとして見応え十分でした。

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http://www.si.com/edge/2015/05/14/personal-gold-documentary-us-womens-cycling-team



サブタイトルにan underdog storyとありますが、
彼女たちは決して負け犬じゃありません。
(注)×負け犬→⚪︎勝ち目が薄い、逆境に訂正します。
八田さん、サンキューです。

負けることから学び、進化しつづけた彼女たちに拍手です。



映画 official site
http://www.personal-gold.com