ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

皆生で狂い咲き

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スイム 0:57:26(93位)

バイク 5:11:02(151位)

ラン 4:02:10(34位)

総合 10:10:38(50位)

 

これまで数年の不調を払拭してV字回復した思い出のレースです

なにがキッカケになったのか改めて探りたいと思っています

 

 

 

ゴールを超えた瞬間、体を突き抜けるような達成感。
記憶にも記録にも残る大会に参加できた事を幸せに思う。

【スイム3km】天気晴朗なれど波高し

風は穏やかなのに海面はうねり、遠くにサーフィンを楽しむ若者が見える。アップしようにも波打ち際で翻弄され沖に出るのも一苦労。泳いで感じる波の高さは見た目以上に大きいのだ。コースロープが向かって左に流されているのを見て、流れの上手に陣取りスイムスタート。周りも私も流されて進行方向を塞いだり塞がれたりしながらマイペースで泳ぐ。落ち着いたかと油断したその時、左目に肘鉄が飛んできた。幸いゴーグルの上でケガはなかったが、ゴーグルが吸盤のようになってしまい目が開けられない。右目だけで折り返しの上陸地点まで行って付け直す。予想よりも早いタイムで通過し復路に入る。潮の流れがフォローに変わり、うねりも気にならない。コースロープから3mくらい離れたところにぽっかり無人エリアが出現し、のびのび泳いで自己ベスト。(0:57:26、93位通過)

【バイク145km】込み上げる吐き気との闘い

スタートはシクロクロスのようにバイクに飛び乗り、勢い良く前に出るが本日の見せ場はこれだけ。前方に来さんらしき背中が見えるが、あっという間に小さくなる。調子がいつまで経っても上がらず、抜かれるばかり。目標心拍で巡航するが、スピードに乗り切れない。CCDとグリコーゲンリキッド原液を頻繁に補給するが状況は変わらず。大山の麓にさしかかる頃には吐き気を催し万事休す。気温はガンガン上がり、リタイヤが脳裏をよぎる。応援の杉浦さんから『128位!』と順位を教えてもらうが、込み上げて来るのは吐き気ばかり。追い込まれて手も足も出ないため、エイド毎にバイクを降りてボトルを2本交換。コーラ1本イッキ飲み、水1本を被る。グリコーゲンリキッド原液も噛んで飲み込むようにしたら少しずつ吐き気が治まる。正気を取り戻し始めたらバイクの異変に気付く。ブレーキシューが当っているようだ。クイックを半分開いたら治まるが、今度は前輪から。前輪もクイックを半分開いたが、また後輪が!ごまかしながら乗り続けると最後はクイックを全開にしても当たりはじめた。バイクを降りてチェックするとハブのクイックを締め忘れている事が判明。既にバイクは8割を消化。致命的なミスだが、クイックと一緒に気持ちを絞め直して再スタート。バイクは良く進むようになるが、ここまでの気持ちと肉体へのダメージが尾を引いてヒラヒラしながらゴール。一昨年より24分も余分に楽しんでしまった。(5:11:02、134位通過)

【ラン42k】狂い咲き

本当にバイクでリタイヤするつもりだったが、無意識にランニングシューズを履いていた。意識が飛び始めているのか良く判らないままマラソンコースに駆け出す。150mも走らないうちに足の異変に気付く。まったく疲労がないサラ足。私の体に何が起こったのか、まったく理解できないが足が軽いのだ。神様がいるのなら、なんという心憎い演出を用意してくれたのだろうか。ロングなら大きなミスもランでひっくり返せる。走れる嬉しさと何者かへの感謝が混然一体となり、喜びが私の中で爆発した。バイク中盤の11時には32.9度を記録し、過酷さを増していく中、一挙手一動に注意を払う。エイド毎に氷を背中に、塩、オレンジ、バナナ、スポーツドリンクを手早く胃に押し込み、時々クランプストップをスプレー。信号と補給の停止を見込んで1キロ15秒だけペースアップし、左手首に映し出される心拍数と速度に何度も目をやる。ストレスになる事は徹底的に排除し、赤信号のかなり手前からペースを下げ、日陰で停止。信号の変わるタイミングを見計らって緩やかにスタートするエコモード。ただし、応援の観客やスタッフの方々に精一杯のお礼を伝える事だけは抜かりなく信号とエイド停止をフル活用。

 

 

10kmを過ぎて走りながらインタビューを受ける。足も軽いが口も軽い。調子の言い事を口走り、更に調子づく。この辺りから水でふやけた足裏にマメが出来始める。全身がオーバーヒートするより痛みに耐える方がマシと考え、かまわず氷を背中に流し込み続ける。炎天下で帰路のエイドでは氷切れになったところもあり、皆さん多用している様子。行き帰りとも広島鉄人会さん、黒糖おじさんの私設エイドでゴチになりながらも、レースはどんどんヒートアップ。後半も佳境になると抜いても引き離せない。足が揃い始めたのかロングとは思えないスピード、しかもゴールに近づくにつれ右肩上がりにペースが上がっていく。マメがつぶれてもお構いなし。痛みは小さく、足の裏がヌルヌルする気持ち悪さだけがついてくる。ラスト3kmでついに力尽き、抜け出した二人(真柄さんともう一人)から千切れてしまうが、前を必死に追う。陸上競技場まで1kmを切った最後の信号で痛恨のミス。歩行者信号が点滅しているのに横断歩道を渡ってしまった。ここで3分のペナルティを謹んで頂戴する。逸る気持ちを抑えられなかった自分を恥じ、せめてもの罪滅ぼしに脇を抜けていく選手を応援。辛い決断を下さざるを得なかったマーシャルさんにもお礼を告げて、明るく再スタート。直ぐに競技場トラックに入り赤絨毯を迎える。恒例の『おかえりなさ~い』は今年は特に耳心地良い。私と皆生大会にバンザイを繰り返しながらゴ~~ル!上には49名の選手諸氏がいらっしゃるが私的には神がかりなラン自己ベスト(4:02:10、50位完走)に、そして生還できた事に大満足。4年連続で下がり続けた成績をイッキに引き上げた。とにかく出来すぎ。

 

前述のTVクルーが私を見つけ、またマイクを向けられる。

 


■あなたにとっての皆生とは
■皆生の魅力とは

100人100通りの「いきさつ」と答え。私の答えは放送されて(されれば)のお楽しみ。インタビューの最後に勢いで「10回出場したら翌年はボランティアして恩返し」を高らかに宣言。順調なら2012年はボランティアデビューが早くも決定した。