10月下旬にカミさんの実家がリフォームしようとしていることを耳にしていましたが
まさかこんな展開になろうとは夢にも思っていませんでした。
■経緯
当時はお義母さんが広告で見つけた業者に連絡したことが
お義父の意向と異なっていたんで些細な口げんかはありましたが心配はしていませんでした。
ただ、お義母さんは「営業の方が換気扇の不調をみてくれてフロを掃除してくれた。いい人だ。」って
話していたので不審には感じました。(自分が営業の責任者なら風呂掃除した担当者を叱ります)
帰京してから数日後の11/3(祝)夜、カミさんから相談の連絡が入りました。
換気扇の修繕なのに風呂のリフォームに工事内容が変わり総額78万円になっているとのこと。
翌日に業者を呼び出して話し合いを持つことになっている事を聞きました。
この時点で悪質業者の可能性がグッと高まりましたので、クーリングオフが可能であろうことを説明し
簡易な例文を送付。
話し合いの前までにリフォームにおけるクーリングオフの詳細を調べて、分かりやすい資料をFAXする約束をしました。
(国民生活センター発行のくらしの豆知識)
・クーリングオフは8日間
・法定書面(契約書)の取り交わしから起算して8日間なので、口約束や書面に不備があれば無期限でクーリングオフ可能
・消費者が業者を呼び出した場合は訪問販売に当たらない
→ただし、今回は換気扇修理がフロ全部のリフォームに化けたので該当せず
・契約書にはクーリングオフ記載を8ポイント以上の赤字で記載するなど詳細規定があり不備あれば無効
近年、この種のトラブルが増加しているので消費者保護寄りの法整備が進んでいるので8日以内なら確実に勝利。
期間を過ぎていても重箱の隅をつつけば大損は回避できるだろうと伝え、カミさんを安心させました。
私たちは解約に向けて進めていますが、お義母さんは自分の進めた契約に横槍を入れられ面白くない様子。
感情的にカミさんにあたってきたみたいで、そちらの消火活動がたいへんだったようです。
「良い人なのに余計なことしないで」的な話を繰り返しますが、肝心の契約内容については何を契約したのか理解は曖昧で
お義母さんの認識と見積書の内容が合致していないことが判明。
この場合、話し合いの席にお義母さんを同席させないようにアドバイス。
曖昧な回答をすると相手に付け入る隙を与え、何よりクーリングオフは契約者署名で行うので交渉方針の不一致が起こります。
最寄の消費生活センターにも連絡し、アドバイスを仰ぐとともに社名を伝え同様のトラブルが無いか確認することにしました。
悪質業者は複数の社名を使い分けているケースがあるので万全ではありませんが用心に用心を重ねる一手段としてオススメです。
・見積書、契約書を確認し幸い8日以内でした。
・リフォーム対象の風呂場を確認し、不具合なくキレイに使えている状況から不要で法外な工事であることを確信しました。
・クーリングオフの通知は必ず文書で行い、効力の発効は郵送なら消印日、投函時点で有効になることをカミさんに伝えました。
■いざ交渉
消費生活センターの助言で会わずに電話で話し合いをすることに。
先方は担当者の上司。終始ミスコミュニケーションだ、自分たちは悪くない的な話をしていましたが
まったく不具合なくキレイな風呂場を改装させる事自体が不適当な契約であると追い詰め、最終的に詫びさせました。
(たぶん、うちのカミさんは相手をコテンパンにやっつけたと思われますw)
クーリングオフの通知は要らないと言われましたが、こちらで準備したものを送ると突っぱね、
最後まで手を緩めず止めを刺して終了。
■後始末
さて、一件落着ですがこの後の再発防止策が重要です。
判断力の低下した老人をカモにする輩は連携し、手を変え品を変え次々に襲ってくる可能性があるからです。
一番の防御は、常に近所や同居の家族が目を光らせていること。これが最も効果的です。
見慣れないものが家の中に無いか、また高齢者は押入れに収納するクセがありますので
布団や着物が隠されていないか日頃からチェックしてください。
騙される前は「いい人だから信用する」、騙された後は「騙された自分が悪い」と考える高齢者が多く、
事件発覚が遅れることで被害拡大します。
判断能力は突然落ちるものではなく、少しずつ変化します。
78万円もの買い物について無頓着なのに、それ以外はしっかり判断できる時期は反論、反発します。
それがとても厄介です。
相手の面目を潰すことなく話し合いをすることが大切なのですが、親子だとこれが難しいです。
■最もパワフルな成年後見人制度
対象者の判断能力レベルに応じて契約に制限をかけられる制度です。
私の学生当時は禁治産者、準禁治産者という表現でしたが、名称を見直し1999年より運用されています。
日用品購入などは制限されず、高額商品の売買において契約取り消しや代理を行うことができます。
本人、配偶者、四親等内の親族、身寄りの無い独居の方には市区町村長も申し立てが出来ます。
いきなり成年後見人制度というカードを切ると本人が気分を害したり、本人を取引社会から排除してしまうことになりかねません。
そこでワンクッションとして任意後見人制度というものがあります。
予め公正証書で任意後見契約をしておき、判断能力が低下した時に家裁で任意後見監督人を選定し業務開始できる制度です。
代理権は自由に設定できるため高額の土地取引や金融商品の取引のみ制限をかけることもできます。
相談窓口は、成年後見人制度は日本弁護士連合会。任意後見人制度は公証役場です。
くそったれ野郎から大切な親を守ることが私たち現役世代の役割です。