ランナーである著者が体当たりで書き綴る日本とランニングのルポルタージュ。
示唆に富んだ内容で3日で読み切っちゃいました。
(最近読書ずいているので読むペースが上がってます)
街のランニングクラブから立命館大学陸上部に日清食品グループ陸上部、箱根駅伝、
日本人が気づかない日本長距離界の長所と課題に迫る考察は必読の価値があります。
著者はサブエガを狙う情熱的なアマチュアランナーで、ケニアでも体当たり取材を敢行。
また、日清食品に所属していたレオナルド君、ブルーミングを主宰する高尾憲司氏、そしてプロランナーに転向する前の川内優輝氏への取材を通して
日本長距離界の長所は、
優秀な長距離ランナーが多く、特にハーフマラソンは箱根駅伝の影響で選手層が特別に厚いこと。
多くのエリートランナーは学校もしくは企業の庇護の下、真摯に競技へ取り組み
走ることで華々しいキャリアを築ける文化とシステムが存在する点を挙げています。
一方で、なぜフルマラソンで世界と、特にケニアとエチオピアから後れをとっているのかという点において
・高校、大学でオーバーワークを強いて才能を消費しつくしてしまっていること、
・アスファルトの上で練習していること(元マラソン世界記録保持者のハヌーシも指摘している)、
・オリンピックに行けないレベルのエリートランナーでも実業団駅伝のために受け皿があり甘んじてしまう環境にあること、
・練習で距離を踏み過ぎている一方でトラックでのスピード練習が不足していること
を挙げています。
なかなか手厳しい指摘ではありますが、
取材当時の2013年~2014年に分かっていたことで
今なお課題解決に至っていない現状を憂いでしまいます。
思うに私たちは変化が苦手で過去を否定したくないんです。
だからバルセロナオリンピック、もしくはアテネオリンピック以降も
制度疲労を起こしている仕組みと練習方法を変えることができないんです。
人間というか、脳は新しいことをリスクと認識してしまうため
変化できないことは人間の性(さが)でもあるのですが、
日清食品グループ陸上部が解散して2年。
代々木公園で選手を見かけなくなった今、エリートランナーと持ち上げられても
考えを変えなきゃ淘汰されるだけの儚い生き物なんだとしみじみ感じます。
日本独自のシステムで目覚ましく日本を発展させた実業団システムですが、
ダイエーがバレーボール部を廃部した2000年に歴史的な役割を終えたことは
みんな分かっていたことです。
だから、日本長距離界においても小出義男氏の佐倉アスリート倶楽部や企業との個別プロ契約など新しい動きが出てきたわけで、いつかJリーグ型のランニングチームが実業団にとって代わる日がくると思っています。
フルマラソンってダメージでかいですよね。
月間800kmをコンスタントに高校生大学生で走らせるなんて異常ですよね。
気づいている指導者は増えましたが、陸連での発言権を得るにはまだ遠いと感じます。
昨日のworkout
スイム3.1km
ラン3km
全快祝いで朝イチでスイム。
きつかったけど、健康な身体って最高です!
お金がなくても健康が一番だって人から聞きますが、本当にそう思います。
たまに風邪をひくと学びがあるもんです。
それも悪くありませんね。