2022年本屋大賞受賞
461ページからなる本編を3日ちょいで読み切りました
毎晩寝る前に本を読むのですが2日目以降は止められず
消灯時間を毎日30分以上オーバーしてしまいました
1942年激化する独ソ戦を舞台にスナイパーの少女の目を通して語られる狂気の世界
本作の紹介文の末尾に
「おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?」
とあります
戦場という歪んだ空間に最適化された人々と心の闇
敵を撃ち殺した数を数えて名誉心を満たす狂気
仲間との連帯感を高めるために輪姦に加わる狂気
命がけの世界には道徳や条約なんてありません
加害者と被害者の受け止め方の違い
平時には気づかない心に巣食うひとりひとりの闇こそが真の敵です
一度も世界から戦火が消えたことはなく
ウクライナでは今も当時と同じ狂気が覆っています
フィクションであるのに時代考証がしっかり行われ
ストーリーが肉付けされているので
映画アメリカン・スナイパーや小説坂の上の雲と似た
重くて厚い後味が残ります
間違いなくオススメの一冊です