11:03:29 総合32位 年代4位
Ironman world championship Kona 2024出場決定
不整脈の手術から276日
こんなエンティングを誰が予想できたでしょうか
力を出し切ることだけに集中し
何度かのピンチをしのぎ
最後の最後で価値ある4位を手繰り寄せました
■朝食はホテルのバイキングで朝がゆ
今回は廃番になった粉飴ジェルをもちこんで
粉飴ボトル相当の11本(1100kcal)を摂るつもりでしたが
立派な朝食バイキングが朝3時30分から用意されていたので
レストラン階へ降りました
粉飴ジェルを摂っても良かったのですが朝がゆなら同じようなものだろうと
2杯いただきました
消化がよくて胃に負担をかけない(スイムで気持ち悪くならない)上に
体温があがるので腸が活性化して
ホテルで早くも軽量化完了できました(現地でも追加で1回)
朝がゆならレトルトで現地に持ち込めるので良いと思います
スタート地点まではバス移動
トランジットエリアはライトがたくさんあってヘッドライトなしでも
タイヤへ空気注入ができました
バイクセット後にスコールはなかったようなのでチェーンオイルは足さず
空気圧は日本の練習と同じF 3.6bar, R 3.8bar (28c)
雨が降ってもグリップしてランカウイの粗い路面もスポイルしてくれる
狙い通りの走りを支えてくれました
【スイム3.8km 1:12:30 エイジ5位】
トライジャージから袖を抜いてスイムスキンを着用
吸水インナーは背中に仕込んでおきました
うっかり肩や脇にサニーナを塗り忘れてしまい擦れちゃいました(反省)
前日から砂浜は完全クローズで試泳も
当日のウォーミングアップもできません
75分以内のイエローキャップを被って
前から10番目くらいでローリングスタート
同じグループ5名の中にまさみさんがいました
お互いの健闘を願って海にダイブ
まさみさんの方が速いだろうから意識せず自分のペースに集中
最初の50mはウォーミングアップのつもりでゆったり泳ぎだしました
2019年と同じく流れがないベタなぎ
コースロープは真っすぐ張られて泳者も広々泳いでいるので
バトルも当然なし
コースロープから1~2m離れた位置だと右オープンで上目づかいすれば
ヘッドアップしなくても前方ブイが確認できます
数百メートル間隔でコース内側にフロートがあって
泳ぐのがつらくなったら掴まったり上がって休めます
どこの大会よりも安全性が高いと思われますが
残念ながら今回のレース中に事故が発生しました
ゴール300m手前で苦しそうな選手を引き揚げて手当したそうですが
手遅れだったそうです
詳しい原因はわかりませんが本人の既往症や発作かもしれませんし
平泳ぎスイマーの足キックが心臓を直撃したのかもしれません
選手ご家族のみなさまにお悔やみ申し上げます
(事故を知ったのはゴールしてホテルにもどってからのことです)
1周目(1.9km)は35’47”
目標よりやや速いので2周目はもっとリラックスして丁寧に泳ぎました
意識したことは
・足首を伸ばす
・足が沈んだら胸と頭を沈めて水平を保つ
・肩甲骨を前の送って水をつかんで
・ヘソまで来たらローリングをつかって太ももまで押し切る
キヨミンから教わったことを着実に実行しました
scribbleofbourgogne.hatenablog.jp
ブイから1~2mを泳いでいるのに
500mのアラートが手前で振動するので25mほど余計に泳いでいる感じ
※⑥がブイ手前でしょ
GPS軌道観ても蛇行はしていないので長かったのか計測誤差でしょうか
スイムアップ計測地点が分からずLapボタンを2度押ししてしまい
タイムがはっきり分かりませんでしたが
目標はなんとなくクリアしている手応えありました
(目標は73~75分でした)
【T1 7:27】
今回の難所はカーフガード装着
空気抵抗が削減できるので話題ですが
ソックスなしで濡れた足を通すのが至難の業です
持参したレジ袋を履いて通したら簡単にできました
続いてHRセンサーを上腕にセット
ここも上手くできて順調でしたが
背中に入れた冷却インナーがトライジャージの外に飛び出て
マントのようになっちゃいましたw
綺麗に収めることは難しいので丸めて背中に突っ込みました
冷却インナーを使うならトライジャージを脱がずに前ジップを開けて
スイムスキンを着た方がよいです
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【バイク 180km 5:43:54 エイジ6位】
バイクに乗ってからサイコンに電源を入れヘルメットのバイザーを下げます
最初の30分は心拍数を戻すためにゆっくり巡行
ここは皆さんにバンバン抜かれます
本番は40分からで巡行開始
バイク中は時折雨が降って涼しいコンディション
こりゃ欧米選手に有利な展開(自分にはチャンスがない)です
補給は粉飴ジェルを薄めたものをバイクボトルに入れてチビチビ
5時間30分から45分のライダーは時間当たり200kcal消費する計算で
1100kcal/5.5hあれば事足ります
ジェルは100kcalなのでボトルに11本入れると6割ほどのカサになり
残りは水と凌駕をいれました
これで身体の保水性が高まりトイレの回数が減って暑熱対策になります
キャメルバッグのボトルなら横にしても漏れないので粉飴には必須です
ダウンチューブに仕込めばこまめに摂取できます
1周目のKuahの三段坂はTGWさんたち応援チームに声をかける余裕すらあったんですが
バイク3時間が経過し2回目のモンキーゾーンから
ターゲットワット数を維持できなくなってきました
丁度この辺りで後ろからJonty Summersが後ろから追いついてきました
(Facebookより)
レースNo.1463で同じエイジのようです
抜き際に "How are you?" って声をかけてくれて、
そこから抜きつ抜かれつの繰り返し都度chatting
UK出身ってことを教えてもらったので「UK guy」と呼ぶことにしました
平地と下りでは彼が先行し上りで私が抜く展開です
小競り合いで脚を削ってしまい
小雨が降って涼しいのに力が入りません
ここでプランB発動
彼の背中を見送りターゲットを20w下げて巡行しました
凌駕タブでミネラルを補充しながら回復を待ちます
痙攣防止の芍薬甘草湯を摂りましたが効果なし
ペースダウンの原因は痙攣やエネルギー切れ、ミネラル不足ではなく
脚の疲労でした
雨が強く降る時間帯があって道路が水没しはじめました
ところどころ道路が陥没している箇所があるので
タイヤを落とせばパンク必至
慎重に走ったので更にスピードは落ちて抜かれまくり
離される一方でついていけません
雨対策に日本を出る前にバイザーとサングラスに撥水剤を塗布しましたが
効果はイマイチ
当日か前日に塗布しないといけませんね
前が誰もいないのでコースミスしたかと内心ヒヤヒヤでしたが
たまに看板があったり選手に抜かれるので間違ってはいないようです
そうこうしていると道路の振動で肘が痛くなってくるし踏んだり蹴ったり
今日は乗れていないなーっと凹みましたが
180km走ればアクシデントは必ずあります
「自分は力を出し切っているか」自問を繰り返して気持ちを保ちました
2回目のKuahの三段坂は両足の内転筋が痙攣して28Tでもギアが足りず
クランプストップを舌下スプレーしましたが効果なし
賞味期限はありませんが購入して8年経つので劣化してしまったのかもしれません
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ダンシングでゴリゴリあがる選手を横目に
こんな時は無理をしないのが一番です
平均139w, NP152w (VI 1.10)
2019年よりも9分も遅いタイムでしたが全体タイムも伸びず
ロスを最小限にとどめることができました
【T2 3:24】
和紙ソックスを履いてソフトカップと凌駕タブ、KODAカフェインジェル
塩などをバックポケットに突っ込んでリスタート
【ラン 3:56:16 エイジ4位】
序盤は内転筋の痙攣が収まらず
古傷の左膝も痛くてリズムに乗れません
我慢できず2km地点で屈伸
次のエイドで芍薬甘草湯を投入したらようやく走れるようになりました
勝負シューズはメタスピードエッジ+
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1年前に入手しましたがここまで走行距離は30km以下
ほぼ新品の状態です
しかし私の走りに合わず反発性よりも硬さを感じます
シューズの設計は2時間30分ランナー向けなので
強く踏みつけないと反発が得られません
S4かエンドルフィンスピード3にすれば良かったです
でもメタスピードエッジ+を選んだ理由は距離を踏んでも
脚へのダメージが少ないからです
ここは狙い通りで最後まで足を残せました
誤算だったのはエイドステーションに氷がないこと
ソフトカップを持ってきたのに使えません
ここでもプランB発動
エイドでは氷で冷やしたミニペットボトルの水を提供していたので
それをつかって手のひらを冷やすことにしました
次のエイドでボトルを交換
暑くなれば被ったり飲んだりできるので
氷と同じ使い方ができます
バイクのラスト30分の平均心拍で走りだし
その後もZone 1.5で押していきます
バイク1周目のモンキーゾーンでパスした日本人が
どんどん迫ってきていると気づいたのは8kmの折り返し
青と白のウェアが印象に残っていました(TGCさん)
それ以降の折り返しでチェックしましたが確実に詰められてきました
ランスタートは6位で5位UK guyとは6分以上の差でした
最初にライバルとすれ違えるのは17km付近
他のエイジライバルなんて分かりませんから彼だけを探しました
私はここまでに順位を落として7位(HYSさんに抜かれました)
UK guyとの差は9分に広がっていたんですが
随分前に私を勢いよくパスしていった Y's HTさんがUK guyと並走している姿を見て
「自分も届くはず」と勇気づけられました
(細かく分差を書いていますが走っている時は順位すらわかりませんよ)
灼熱のレースでは暑い時間帯に消耗しすぎないことが肝心です
皆生で学んだ経験を活かしとにかく抑えて淡々と刻み
エイドではウォークブレークをしながら
かけ水→水ボトル交換→ゲータレード・スイカのルーティンを繰り返しました
スイカは水分補給と血管拡張効果のあるシトルリン摂取を狙っていますが
胃がチャプチャプしないのもお気に入りです
ラン25kmを過ぎて本当の戦いが始まります
日が傾いて涼しくなってきたので水ボトルの携行を止めて
キロ5分20を目安に巡行
凌駕タブを歯茎と内頬の間に挟んで溶かしながら摂取
ついにTGCさんに追いつかれてあっけなくパスされました
スピードが全然ちがってあっという間に背中が小さくなりましたが
ずいぶんとお若い方だったので心穏やかに見送りました
更に涼しくなった30kmからギアを上げていきました
4~7位は僅差の戦いで四巴え
32.7km地点で7位(5'26"/km)
35.3km地点で5位(5'14"/km)
この区間でUK guyをパスしていますが気づかず
もう日差しはないので帽子を脱いでバックポケットに押し込んで
走りもプッシュ
39.1kmのエイドでTGCさんをパスするも直ぐに追いつかれました
「もう暑さの心配はないから被り水は要らないよ」って
余計なアドバイスを言っちゃって苦笑い
5分差で追いかけるからゴールで会おうと約束して背中を見送りました
40.7km地点で4位(5'27"/km)
振り返ると30〜40kmで大逆転を演じていましたが
TGCさんのおかげです
苦しい区間を最後まで緊張感をもってゴールまで走れました
swim: 5th, bike: 6th, run 4th = overall 4thときれいにまとめられたことも嬉しいです
【おまけ】
ゴールしてからTGCさんと互いの健闘を祝福
そうこうしているとUK guyがゴール
「ずっと追いかけて探していたんだけど見つけられなかったよ」って話したら
「君が速すぎてついていけなかったよ」って言われました
ストリートバッグを受け取りトラッカーをチェックしたら年代4位
Konaのスロットはエイジで1~2だろうと思っていたので
せめて入賞したいとこっそり狙っていたのですが
元プロのOhさんがブッチギリのエイジチャンプを獲ったので叶わず
Ironmanでは4位と5位しか獲ったことないので
手ぶらで帰る悔しさがありましたが
不整脈の手術を経てゴールできたことと
力を出し切ることができたので晴れ晴れしい想いが勝りました
次々ゴールしてくる皆さんとテーブルを囲みワイワイガヤガヤ
プレッシャーから解放され心地よいひと時でした
Gakさんもこちらで出会ったうちのおひとりですが
ずっと私を追いかけていたそうです
(トップのゴール写真で背後に写りこんでいます)
誰かのお役に知らずに立てていたんですね
ご存知元プロのIIDさんは昨年のKona以来です
Konaでも前触れなく突然現れましたがLangkawiにも突然現れました
私、けっこう皆さんのFacebook観てますので実際にお会いしていなくても
近況を存じ上げております
お疲れさまでした
ゲジさんを待ってTeam報告用のショット
ARTさんはブログをきっかけに声をかけて下さいました
ランカウイ対策が役立ったそうです
私の思い込みとデタラメ記事ばかりで心苦しいのですが
ブログを楽しみに読んでいる方にリアルに出逢うと照れくさいですがとても嬉しいです
お話が弾みすぎてバイクピックアップの門限ギリギリに
急いでワゴンタクシー拾ってMICEに向かい門限丁度で入館できました
ラン折り返し地点なのでスタッフさんが残っていたのでホッとしました