今回のレースは、いつも以上に良い走りをしたかったので周到に準備をしました。走力が衰えてきたアラフォーの体からパワーを1滴残らず搾り出すための備えとレースの進め方について振り返ってみたいと思います。
■レース週の調整
~足をちょっと重めに仕上げる~
これまでレース1週間前は疲労を抜くことだけに専念し練習量を抑えてきました。しかし体が軽くなりすぎてオーバーペースで突っ込み崩れるパターンが多かったのでらんばでぃーの伊藤嗣朗氏の寄稿にあった足をちょっと重めに仕上げる調整を試してみました。火曜に夙川までの13km帰宅ラン、金曜に朝晩合計15km通勤ラン、土曜にシルベスト練習会で170bpmオーバーを含む40kmバイク。レース当日、朝5kmほど走った時は少し疲れが残った状態に仕上がりました。
■レースの心拍ターゲットゾーン
~5kmの結果から15kmを推察する~
同じコースを5月の駅伝大会で5.6km走りました。良い走りができたその時の心拍数は平均180bpm。HID彦井氏の寄稿にあった係数を用いました。(論文の出展は失念)
対AT値で、5kmレースなら104~110% 10kmなら102~107% 40kmなら97~100%だそうです。
15km=AT値の105%として結果、私のATは164bpmで15kmは172bpmとなります。1周の合計高低差が190mありますから、多少の幅を持たすべく169~175bpmをターゲットゾーンにしました。(トレーニング強度の90%~95%に相当)
15kmを105%と設定したところは適当で、理論としては突っ込みどころ満載です(笑)
しかし、実走結果より大きくは離れていない数値だったと思います。
■当日のウォーミングアップ
~ダイナミックストレッチとトイレ~
朝から小雨が断続的に降り、山間部では気温が上がりません。20分ほど走って体を温めてから会場より少し離れたホテルに移動。手足が冷えないようこちらで待機。水分をこまめに取っているのでトイレが近くなり、冷えたら更に近くなるので保温は大切です。e-アスリートの鈴木氏が『ウォーミングアップの目的は膀胱を刺激してトイレを済ます事』と仰っていましたが、一理あります。スタート10分前までジョグをして、仕上げにダイナミックストレッチと流しを入れて心拍を160まで上げておきます。ダイナミックストレッチは少ない運動量でストレッチと心拍アップを兼ねられるので、非常に便利です。
■レースウェア
~天気の変化に対応できる備え~
スタート直前になってパラパラ降り始め、どう降るか予想ができない状況でした。気温は朝から上がらず16℃。ノースリーブのジップ付シャツとランパンだけでは心もとないので、自転車で使うウォームオイルを腕、腹、腿、脹脛に塗りました。また、更なる気温低下も考えられたのでアームウォーマーを着用。走り始めたら暑くなってきたので、途中で沿道の応援に預けました。小さな布キレですが、ジャージ1枚分の保温力があると思います。
■レースの進め方
~序盤は抑え気味~
グリンピアのコースはスタートから1.5kmは上り基調で脈が急激に上がり続けます。2分もしたら170拍を超え、いよいよレースモード。とにかく序盤はオーバーペースになりがちなので、頻繁に心拍計をチェックし状態を把握します。最初の上りは15番あたりで通過、下りに入っても先頭はペースが落ちず若者の走りを観察。同じように走れませんが、股関節を緩めるイメージで軟らかく大きな走りを心がけます。先頭を30m先に見据えて一団離れたところで付かず離れず、下りでも
169拍を下回らないように巡航。展開が早いため、気を抜けば下りでも直ぐ175拍に至り頑張り過ぎないように集中を高めます。
~中盤は辛抱強く~
2周目に入る頃からオーバーペースだった選手が前から落ちてきます。
心拍数の維持だけ考えて(色気を出さない!)、順に拾って行きます。
コースは別カテゴリーの選手と混在し順位の把握が難しくなりますが先頭とはあまり離れていない感じでした。
~終盤に勝負~
3周目に入ると前が開けコース上は15.8km出場の選手のみとなります。前と間隔が空いていますが、少しペースを上げて辛抱強く差を詰めていきます。3回目の谷に差し掛かり、ここから10分が勝負どころ。すでに172拍を打つ心臓にムチを入れプッシュ!前に2人、後ろに1人の小集団でしたが駆け引き無用で思い切って追い込んでいき、本日のMAX184拍を坂の頂上で記録。前に追いつけませんでしたが、一人を引き離すことに成功。ゴール前の下りに入ってもペースを緩めず、昨年の記録を3秒上回る事ができました。まだまだ記録は伸ばせそうです。
一度上がりきった心拍はペースダウンしても中々落ちません。昨年の失敗を踏まえ、序盤~中盤を頑張りすぎずないように注意し、無理は最後の坂1回に絞った事が良かったのかも知れません。思い通りに走れる事は稀ですが、今回は全てが上手く噛み合いました。これで私はこのレースを卒業しますが、希望の続きは現役選手とOB選手に来年見せて貰おうと思います。