ブルゴーニュの走り書き

皆生トライアスロン、関西シクロクロス。通勤ラン、通勤バイクなんかも語っちゃえ!

(読書)暑さを味方につける HEAT(ヒート)トレーニング

私が暑熱馴化を知ったのはIronman Phillipinesを控えた2018年

現地は34~36℃にもなると噂されていたので対策を調べて行き着いた先が

消防隊員を対象とした検証でした

 

scribbleofbourgogne.hatenablog.jp

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あれから4年

東京オリンピックにむけた暑熱対策プロジェクトにかかわった著者の一冊

どのようなアップデートがあるか楽しみで手に取りました

 

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100ページなので1日あれば十分です

私は何度も通読して気になる点をおさらいしています

 

 

7つの学び

 

■牛乳 xガリガリ君

 暑熱順化トレーニングの後にミルクプロテインを摂取すると血漿量とアルブミン

 (水分保持に関係するタンパク質)が増加する

 キャファの辻元さんが学生時代にボトルに牛乳を入れていたと仰っていましたが

 理にかなっていたんですね

 遅ればせながら科学的に今頃証明されました

 私は乳糖不耐症(下痢をする)なのでヨーグルトドリンクを試してみます

 まぁ脱水状態ですから身体が緊急事態モードで牛乳でも受け入れそうですけどw

 

 またアイススラリー(微細な氷と水分が混じり合った飲み物)は胃に入った時に

 氷が解けて融解熱によって周りの温度を奪い冷却効果が最も高いとのこと

 コンビニ休憩でこの最強ペアを試してみます

 

■熱を逃がすには腕を冷やせ

 熱放散の観点(その部位にある血流量に対する表面積の大きさ)から

 腕、手、指は冷やすのに最適な部位です

 要するにラジエターのように空気で血液を冷却できる面積がデカいってことです

 

■運動を継続できる上限体温は40℃

 個人差はあるものの核心温(深部体温)が40℃になると

 運動を継続できなくなります

 インフルエンザでもゾフルーザが登場して以来40℃なんてことはなくなりましたが

 生きているだけでも精一杯なのに運動なんて無理です

 根性だけではどうにもならない人間の限界が体温40℃ってことですね 

 

■現地移動の2週間前から運動後に温浴やサウナで暑熱順化をおこなう

 実験では練習環境が著しく日本とかけ離れているのでアジャストが必要ですけど

 (19℃、最大心拍数70%=117bpm、40分ランニング)+ (40℃、40分温浴 x6日)

 

 レース2週間前って9月下旬は最高気温30℃超えもあるし117bpm(Zone1)で

 40分だけなんてのも少なすぎます

 練習がオーバーした分は温浴を軽くすれば良いんだけど日本の環境じゃ

 普通に練習しただけで本書が期待する暑熱順化は得られそうです

 

 よくよく考えてみると紹介されているメニューは出版にあたって

 運動習慣のある一般人向けに味付けされています

 オリンピック選手がこんな甘いレベルであるはずがありません

 では我々アマチュア選手だったらどうなのか裏読みが必要ですね

 

■暑い部屋を作れば能動的に暑熱順化できる

 室温30℃、最大心拍数70%=117bpm、60分運動、1週間継続

 今朝は平均気温31.1℃(Garmin計測)でこれより激しく練習したんだけど

 練習例は軽いと思います

 普段の練習でこの程度の暑熱順化はクリアしています

 

■暑熱順化(血漿量の増加、心拍数の低下)で通常環境でも強くなる

 高地トレーニングと同じで過酷な環境で練習すると負荷が高まります

 練習効果と疲労が同時に高まるので練習量の加減が必要です

 

■深部体温計測はむつかしい

 最近COREを良く目にしますが計測精度に懐疑的です

 アルゴリズムをつかった推定値ですから初期の心拍計やパワーメーター同様に

 ある程度のエラー値はやむを得ないとみています

 ブレても上振れか下振れで安定してくれれば使えますが乱高下するようじゃ

 データ収集に終始し深部体温をレースマネジメントに活かせません

 スポンサーされていると本当のことは言えないので自腹ユーザーのクチコミを

 さがしています

 本書では名指ししないまでも深部体温を計測するガジェットについて妥当性や

 信頼性について一定の評価を得ていないと一刀両断されています

 (2022年7月31日初版)

 

 

 

ターゲットとなる暑熱環境

 

■2019年10月26日 Ironman Malaysiaのデータ

 

bike 28 - 36℃, Ave 31℃ ラスト90分が灼熱タイム

run 29 - 35℃, Ave 32℃ 前半2時間が灼熱タイム

 

 



気温はGarmin945の手元計測ですからリアルな環境です

今年の皆生よりマシですが過酷なことに違いありません

 

消防隊員の検証と今回得た知見をミックスして

本番に臨みます

 

 

昨日のworkout

ラン14km

 

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朝のうちにディセンディングインターバルを済ませ

夜はGel-Kayano30発売記念イベントに参加

初代から30に至るまでのストーリーを楽しく伺いました

(クワガタやらIGSやら)

 

Kayanoは一度も履いたことがないけれど

まじめなシューズづくりというかアシックスイズムが注入されていることに

いたく感心しました

開発の方って皆さんまじめな方が多いです